2017
12.04

第19話

コラム, 昭和音楽コラム|1960から

昨年暮れも押し詰った頃、「筒美京平作品楽譜集」と「Kyohei Tsutsumi History」という9牧組のCDBOXが届きました。

これがその楽譜集

 

楽譜集を開くと、見慣れた京平さん直筆のスコアが目に飛び込んできました。
当時我々のレコーディングはオーケストラを同時に録音するのが、あたりまえの時代だったので、録音の時はこのスコアが頼りで、いろいろなアレンジャーのスコアを見てきましたが、京平さんのスコアは汚くて続みにくく、よく写譜屋さんが間違えないものだと変なところに感心したものです。
他に作詞家達の直筆の歌詞原稿もあり、一緒に仕事をしてきた僕としてはとても懐かしいものでした。

CDBOXは1997年に発売された8牧狙の「筒美京平HISTORY」VOL.1,VOL.2に1枚追加して9枚組になったようです。デザインも変わって以前のものより解説も見やすく、久しぶりに京平サウンドにどっぶりつかりました。

これがそのCD BOXのジャケット。楽譜集と一緒の写真ですね。

 

京平さんとは当時フジテレビで放送されていた「ザ・ヒット、パレード」という番組のプロデューサーの、すぎやまこういち氏のお宅に遊びに行って、皆でゲーム(バックギャモンとかモノポリー)をやっている時に知り合ったと記憶しています。その中に橋本淳、林春生もいました。

1966年に橋本淳から京平さんが作曲した曲があると売込みに来たのが「黄色いレモン」でした。
その後、京平さんは勤務していたボリドール・レコードを退社してプロの作曲家としてやって行くことになります。

カバーボップスをメインとしてやってきた僕としては、新しいポップスを書ける作家を発掘し育てることが必然でした。まだ作家の専属制度が当たり前の時代なので、ジャズ・ミュージシャン出身の中村八大、宮川泰、浜口庫之助たちがポップス系の曲を作っていました。なんとか京平さんを、とのことで、僕の担当していた尾藤イサオ、奥村チヨ、渚ゆう子などに書いてもらったり、当時各社から出ていたインストルメンタル・アルバムのアレンジやピアノ演奏を依頼しました。

アルバムにあったデータを見ていると、色々な想い出が浮かんで来ます。
70年代初期の渚ゆう子、欧陽菲菲、つなき&みどりなどの、京平さんアレンジのサウンドが聞こえてくる。

 

今回、9枚目のCDには前作の8枚に入らなかった曲を入れるという話を聞いたので、監修の高護氏に僕と京平さんで2006年にAvexから出した新人、尾関美穂の「土曜日の魔法」(作詞:三浦徳子)を入れてとプレゼンしたのですが、却下されました(笑)。

 

 

=以上、敬称略=

(草野浩二=元東芝レコード・ディレクター 「月刊てりとりぃ」2014年1月31日号に掲載)
※著者及び「月刊てりとりぃ」より許諾をいただいて転載しております。

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